ユーロドル反発。ギリシャ格下げ材料視されず。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日のアジア時間に80円69銭まで上昇したドル円は
海外市場に入ると、ドルの上値が重くジリ安に。
NY市場では80円台前半での値動きに値幅も少なく、先週末と同水準
であることから取引きも閑散。 - ユーロは1.43台から反発。利上げ観測の台頭と、ギリシャの
債務問題をめぐるECBとドイツとの意見が収束するとの見通しから
1.44台前半まで買い戻される。
S&Pによるギリシャ国債の格下げは相場に響かず。 - 株式市場はまちまち。先週末の大幅安からダウは反発して始まったものの
買い物は続かず、引け値は前日比ほぼ変わらず。ナスダックは小幅安。 - 債券相場は反落。原油価格の低下が景気を押し下げると見方が広がり、
価格は下落、長期金利は小幅に上昇。 - 金、原油価格はともに大幅続落。原油価格は4週間ぶりに97ドル台まで
売られる。中国の石油製品消費が5月に4%減少したとの報道が背景。
本日の注目イベント
- 日 4月鉱工業生産
- 日 白川・日銀総裁記者会見
- 中 5月中国消費者物価指数(CPI)
- 中 5月中国生産者物価指数(PPI)
- 中 5月小売売上高
- 中 5月鉱工業生産
- 欧 ドラギ・イタリア中銀総裁講演
- 米 5月小売売上高
- 米 5月生産者物価指数(CPI)
- 米 バーナンキ・FRB議長、会合に出席
ドル円は、昨日の朝方80円69銭まで上昇し、
場合によっては81円を目指す可能性もあるかとの見方もでていましたが、
上昇は限定的で、その後はいつものようにドルジリ安の展開でした。
上値の重いドルが、約1週間ぶりに80円台半ばを抜き、
しかも上昇の勢いも見られたためやや期待もありましたが、
海外市場では80円50銭を上回る場面は一度もありませんでした。
結局、80円50銭超えのストップロスのトリガーとニュージーランドでの地震の発生から、
一時的な「円売り」が起こっただけで、
ドルの上昇は息切れしてしまったというところでしょうか。
一方で下値ではNY市場で80円割れはなく、
金、原油など商品相場もこれまでのように勢いよく上昇する展開でも
なくなってきたようにも思えることから、
資金がドルに回帰するのではとの見方もできなくはありません。
ただ、商品市場を離れた資金は行き場がなく、
本来なら株式市場に向かうところでしょうが、
その株式市場の先行きが不透明で資金の受け皿にはなっていません。
その結果、債券市場に資金が流れ、米長期金利の低下に繋がり、
ドル円の上値を抑えている構図が続いています。
本日は米5月の小売売上高の発表があり、
予想以上の数字を示すなどの「サプライズ」がなければ、
再び80円を挟む展開に戻りそうな気配です
ユーロドルは1.43台から反発しています。
1.4300-20あたりが「日足」のサポートにあたり、
重要なポイントであると昨日書きましたが、その水準を抜けることなく反発に転じています。
ギリシャの債務問題で意見の食い違いを見せているECBとドイツでは、
トリシェ・ECB総裁のコメントが、ドイツ案に歩み寄りつつあるとの見方も出てきており、
これがユーロ買いに繋がったとの指摘もあります。
また今朝のブルームバーグ・ニュースによると、
トリシェ総裁は米CNN放送とのインタビューで、
ECBが7月に利上げを実施する「可能性」があるとの見方を改めて示した、
と伝えています。
同総裁は、先週のECB理事会後の記者会見で
「Strong vigilance」(強い警戒)との表現を用い、利上げを示唆しましたが、
その直後からユーロは急落した経緯があります。
これらを材料にユーロはひとまず前日比100ポイントほど上昇しましたが、
一方で格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は
ギリシャ国債の格付けを一気に3段階引き下げ「CCC」(トリプルC)に見直しています。
S&Pは発表文書で、「ギリシャが抱える債務のうち、1本あるいは複数でデフォルトに
陥る可能性が著しく高いとの見方を反映している」と説明しています。(ブルームバーグ)
このため、昨日の欧州市場ではギリシャ国債は売られ、
同国10年債利回りは上昇し、16.5%近辺で引けています。
しかし、為替市場ではユーロ売りに反応はしておらず、
たび重なる格下げはすでに「織り込み済み」といった様相です。
ユーロについては「ソブりンリスクと利上げ観測の綱引き」状態が続いていますが、
市場はやや利上げ観測にぶがある、と読み始めてきたようです。
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- [2011/06/14 09:33]
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